
1.はじめに
あなたが手にしているiPhoneは、いったい「どこの国の製品」なのでしょうか。
iPhoneを設計しているのはアメリカのAppleです。しかし、その頭脳ともいえる半導体は台湾のTSMCが製造し、ディスプレイやメモリには韓国企業、イメージセンサーや電子部品には日本企業の技術が使われ、最終的な組立では台湾の鴻海(Foxconn)が大きな役割を担っています。そして、その巨大な生産拠点は中国からインドへと広がりつつあります。つまり、一台のiPhoneの中には、アメリカ、台湾、日本、韓国、中国、インドなどを結ぶ「世界経済の縮図」が詰まっています。
しかも興味深いのは、Apple自身が巨大なiPhone組立工場や最先端半導体工場を所有していないことです。それにもかかわらず、Appleは年間約2.4億台ものiPhoneを世界市場へ供給しています。
なぜAppleは、自分で工場を持たなくても、これほど巨大な製造システムを動かすことができるのでしょうか。その答えを読み解く鍵が、グローバル・バリューチェーン(Global Value Chain:GVC)です。
本記事では、Apple、TSMC、Foxconn、そして日本や韓国の部品メーカーの関係を追いながら、一台のiPhoneがどのように世界各地の企業と地域を結びつけているのかを見ていきます。
さらに、その生産ネットワークがなぜ中国に集中したのか、そしてなぜ現在Appleがインドへ生産を広げているのかを考えます。そこから見えてくるのは、「最も安くつくれる場所」を探したグローバル化から、「何かが起きてもつくり続けられる場所」を組み合わせるグローバル化への転換です。
2.Appleはなぜ工場を持たずにiPhoneをつくれるのか
(1) Appleはなぜ「工場を持たない企業」になったのでしょうか
現在のAppleは、iPhoneやMacを大量生産する巨大工場を自社で所有しているわけではありません。
しかし、Appleが最初からこのような企業だったわけではありません。
かつてAppleは、アメリカのフリーモントやサクラメントだけでなく、アイルランドやシンガポールなどにもパソコンを製造する自社工場を持っていました。
ところが1990年代半ばに業績不振に陥ると、Appleはコスト削減と経営効率化を進めるため、自社工場を売却し、製造工程をEMS(Electronics Manufacturing Services:電子機器受託製造サービス)企業へ委託するようになりました。
この転換によって、Appleは巨大な工場や大量の製造労働者を自社で抱える必要性を低下させました。
その一方で、研究開発、製品設計、ソフトウェア、マーケティング、ブランド、サプライチェーン管理といった機能に経営資源を集中できるようになりました。
Appleの強さを理解するうえで、この転換は非常に重要です。
Appleは「すべて自分でつくる企業」から、「世界中の優れた企業につくらせ、それを一つの製品として統合する企業」へと変化したのです。
(2) Appleのグローバル・バリューチェーン
現在のAppleのGVCを大まかに整理すると、次のようになります。
| <AppleのGVC> ① Apple:研究開発・製品設計・統括 ↓ ② TSMC:最先端半導体の製造 ↓ ③ Samsung、LG、Sony、村田製作所など:部品供給 ↓ ④ Foxconnなど:最終組立 ↓ ⑤ Apple:ブランド・販売・サービス |
つまり、Appleはすべての工程を自社で行うのではなく、それぞれの工程で高い能力を持つ企業を世界中から組み合わせています。
重要なのは、製造を外部企業に委託していても、AppleがGVC全体に対する強い統合・調整能力を持っていることです。

図 Appleのグローバル・バリューチェーン
3.世界に広がる研究開発と部品調達
(1) 研究開発――クパチーノを頂点とする世界的な知識ネットワーク
Appleの中核となる研究開発機能は、アメリカ・カリフォルニア州のクパチーノにあります。クパチーノでは、iPhoneやMacなどの製品設計、iOSなどのソフトウェア開発、独自半導体の設計、ブランド戦略など、Appleの競争力を左右する重要な活動が行われています。
しかし、Appleの研究開発活動がすべてアメリカに集中しているわけではありません。
Appleは世界各地に研究開発拠点を設置しています。
たとえば、英国のケンブリッジではAIや機械学習、ドイツのミュンヘンではチップ開発や無線技術、イスラエルではストレージ技術やチップ設計、日本の横浜では材料やディスプレイ技術などの研究が行われています。
さらに、中国には製造や製品開発を支援する研究拠点があり、インドではアプリケーション開発やiOSエコシステムの強化が進められています。
したがって、Appleの研究開発はクパチーノへの単純な一極集中ではありません。
クパチーノを「司令塔」としながら、世界各地の技術集積を結びつけるグローバルな知識ネットワークが形成されています。

図 Appleの主な研究拠点
(2) iPhoneの中には「世界」が入っています
AppleのGVCは半導体だけではありません。
iPhoneを構成するさまざまな部品も、世界中の企業から調達されています。
たとえば、ディスプレイでは韓国のSamsungやLG Display、メモリ半導体ではSamsungやMicron、通信半導体ではQualcommやBroadcomなどが重要な役割を担っています。
日本企業も重要です。村田製作所が電子部品を供給し、Sonyがイメージセンサーを供給するなど、日本企業の高度な部品技術もiPhoneの生産を支えています。
まさに、「一台のiPhoneの中に世界経済が入っている」といえるのです。
4.TSMCとFoxconn――Appleを支える二つの台湾企業
(1) AppleとTSMC――半導体の「設計」と「製造」を分ける
AppleのGVCのなかでも、特に重要なのが半導体です。
iPhoneに搭載されるAシリーズや、MacやiPadに搭載されるMシリーズなど、Appleは独自の高性能半導体を設計しています。
しかし、Apple自身が最先端の半導体工場を持っているわけではありません。
実際に半導体を製造しているのが、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)です。
両社の役割を単純化すると、Apple=半導体を設計する、TSMC=Appleが設計した半導体を製造するという関係です。
Appleの半導体GVCは、さらにその先まで続いています。
TSMCの工場では、オランダのASML、日本の東京エレクトロンやSCREENホールディングスなどが供給する高度な半導体製造装置が使用されています。
(2) AppleはTSMCにどのくらい依存しているか
AppleとTSMCの関係は非常に深いです。
2020年の資料では、AppleはTSMCに年間約2.3億個のCPUを発注していたとされています。当時のTSMCの売上高約5兆円のうち、Apple関連のビジネスは約1.3兆円、25%以上を占めていたとされています。
さらに、当時最先端だった5nmプロセスについては、Appleがその生産能力の約90%を利用していたとの推計もあります。
その後、NVIDIAをはじめとするAI半導体企業の急成長によってTSMCの顧客構成は変化していますが、AppleがTSMCにとって極めて重要な顧客であることに変わりはありません。
一方、Apple側もTSMCなしでは最先端のiPhoneやMacを大量生産することが困難です。
つまり、Appleが一方的にTSMCを支配しているわけではありません。AppleにはTSMCの製造技術が必要であり、TSMCにもAppleの巨大な需要が必要です。
両社の間には、非常に強い相互依存関係が形成されています。
(3) AppleとFoxconn――数億台のiPhoneを実際につくる企業
半導体におけるTSMCと並んで重要なのが、台湾の鴻海精密工業(Foxconn)です。
Foxconnは、Appleが設計したiPhoneやMacなどを実際の製品として大量生産するEMS企業です。
両社の関係を単純化すると、Apple=「何をつくるか」を決める企業、Foxconn=「それを大量につくる」企業となります。
Foxconnの従業員数は約76万人(2022年)、中国の深圳や鄭州などの巨大工場がiPhoneやMacBookの組立を担ってきました。
歴史的にはFoxconnが世界のiPhoneの約70%を組み立てていたとの推計もあります。
仮に年間2億4,000万台のiPhoneの70%と考えれば、単純計算では年間約1億7,000万台に相当します。
もちろん現在はAppleが組立先を多様化しているため、この70%を現在の数字としてそのまま使用することはできません。しかし、Appleの大量生産システムにFoxconnがどれほど重要な役割を果たしてきたのかを理解する目安にはなります。
(4) 「iPhone City」――中国に形成された巨大生産拠点
Foxconn深圳龍華工場は、1987年に用地を取得し、1992年に生産を開始した世界最大級のデスクトップPC組立拠点です。最盛期には約100万人を雇用し、中国内陸部から豊富な労働力を確保しました。また、世界中から大量の発注を受け、部品企業に高い品質を要求することで、深圳のサプライチェーン形成と製造業の高度化にも貢献しました。
Foxconn鄭州工場は、深圳の生産拠点が手狭になり、コストも上昇したことを背景に、中国内陸部の河南省鄭州に建設され、2011年に稼働しました。約20万人の従業員を抱え、iPhoneの上位機種などを大量生産することから「iPhone City」とも呼ばれています。強みは、豊富な労働力だけでなく、数十万人規模の労働者を柔軟に動員し、世界中から大量の部品を集め、Appleが求める品質の製品を短期間に数千万台規模で生産できる点にあります。さらに、工場周辺には部品メーカーや物流企業が集積し、鄭州をAppleのグローバルな生産ネットワークを支える一大製造拠点へと成長させました。
Foxconnは単なる「組立工場」ではありません。巨大なサプライチェーンを形成し、地域の産業集積そのものをつくり出す存在でもあるのです。
5.効率的なGVCはなぜ脆弱なのか
(1) 効率的なGVCは同時に「脆弱なGVC」です
Apple型GVCには大きなメリットがあります。Apple自身がすべての工場を所有する必要がなく、それぞれの分野で世界最高水準の企業を利用できます。その結果、Appleは研究開発や製品設計、ソフトウェア、ブランドなど、自社の強みへ経営資源を集中できます。
しかし、この効率的な仕組みには弱点もあります。
特定の企業や地域に生産が集中すると、その企業や地域で問題が発生したとき、GVC全体に影響が広がるからです。
この問題が明確になったのが新型コロナウイルス感染症でした。
2022年10月、中国・鄭州のFoxconn工場で新型コロナウイルス感染症が発生し、工場がロックダウンされました。その後、厳しい行動制限や賃金問題などをめぐって労働者と当局との衝突も発生しました。
これは、GVCによって世界が結びついた結果、「ローカルな問題がグローバルな問題になる」ことを示しています。
(2) 台湾への依存というもう一つのリスク
Appleには中国だけでなく、台湾への依存という問題もあります。
ファイルでも指摘しているように、半導体ではTSMC、iPhoneなどの製造では台湾企業である鴻海(Foxconn)が重要な役割を担っています。
つまりAppleのGVCの重要部分を、台湾企業が支えています。
これは非常に効率的な仕組みですが、台湾海峡をめぐる国際政治上の緊張を考えると、地政学的なリスクにもなります。
特にTSMCへの依存は重要です。
最先端半導体の供給が長期間停止すれば、AppleはiPhoneやMacの生産を現在と同じ形で継続することが難しくなります。
したがってAppleにとってサプライチェーン政策は、単なる「コスト削減」の問題ではなく、経済安全保障の問題にもなっています。
6.中国からインドへ――AppleのGVCの地理的再編
(1) Appleはなぜインドへ向かっているのでしょうか
米中の覇権争いを受け、Appleが進めているのが、生産拠点の地理的分散です。
ファイル作成時点では、2021年のApple製品の世界生産に占めるインドの割合は約3.1%でした。それに対して中国は95.3%とされており、中国への圧倒的な集中がみられました。
しかし、その後状況は大きく変わっています。2025年3~5月にFoxconnがインドから輸出したiPhoneは約32億ドルに達し、そのうち97%がアメリカ向けでした。さらに2025年1~5月のFoxconnによるインドからアメリカへのiPhone輸出は約44億ドルに達し、2024年通年の規模をすでに上回りました。
Foxconnも2025年にインド子会社へさらに15億ドルを投資すると発表しています。数年前までiPhone生産におけるインドの存在感は小さなものでしたが、急速に重要な生産拠点へと変化しているのです。
(2) Appleは「脱中国」を進めているのでしょうか
ここで注意が必要です。
Appleの動きを単純に「脱中国」と捉えると、現在起きている変化を正確に理解できません。
Appleが進めているのは、中国の生産をすべてインドへ移すことではありません。
むしろ、中国一国集中から、チャイナプラスワンへの転換と考えた方が適切です。
中国には、長い時間をかけて形成された巨大な部品産業、熟練労働力、物流インフラ、EMS企業のネットワークがあります。
これを短期間で他国へ完全に移すことは容易ではありません。そのためAppleは中国を残しながら、インドなどにも生産能力を持たせることで、一つの国に過度に依存しないGVCをつくろうとしているのです。
(3) Foxconnとの関係を維持したまま製造する場所を変える
ここには、GVCを考えるうえで非常に興味深いポイントがあります。Appleは中国依存を減らすために、Foxconnとの関係を解消しているわけではありません。
むしろ、Apple―Foxconnという企業間関係を維持しながら、Foxconnの生産能力を中国からインドへ部分的に移しているのです。
つまり変わっているのは「AppleとFoxconnの関係」そのものというより、その関係が展開される地理的な場所なのです。これは、GVCの「領土的再編」と捉えることができます。
7.Appleは何を支配しているのか――GVCの価値はどこで生まれるのか
(1) Appleを支えている台湾企業
AppleのGVCを「アメリカ企業が中国でiPhoneをつくっている」と理解すると、重要な点を見落としてしまいます。その間に台湾企業が存在するからです。

表 Appleの国際分業
この表から分かるように、AppleのGVCは、アメリカの設計・統合能力、台湾の半導体製造・生産統括能力、日本・韓国などの高度な部品産業、中国・インドの大量生産能力
によって成立しています。
ファイルでも、Appleは半導体ではTSMC、PCやスマートフォンの製造では鴻海と非常に強い関係にあり、台湾企業なしには現在の生産システムを維持することが難しいと指摘しています。
(2) Appleはいったい何を「支配」しているのか
ここで一つの疑問が生まれます。
- AppleはTSMCの工場を所有していません。
- Foxconnの工場もAppleのものではありません。
- SamsungやSonyの工場も所有していません。
それにもかかわらず、なぜAppleがこの巨大なGVCの中心にいるのでしょうか。
その理由は、Appleが単純に工場を所有するのではなく、以下の能力を握っているからです。
| <アップルの競争力の源泉> ・製品を設計する能力 ・技術を統合する能力 ・Apple Siliconなどの半導体設計能力 ・iOSなどのOS巨大な需要を生み出すブランド ・サプライヤーを選択・調整する能力 ・消費者との接点 |
Appleの強さは、「モノをつくる能力」だけにあるのではありません。
むしろ、世界中の企業にモノをつくらせ、それぞれが持つ技術や生産能力を一つの製品へ統合する能力にあります。
Appleは工場を直接所有しなくても、GVC全体を統括することによって大きな競争力を獲得しているのです。
(3) AppleのGVCを「スマイルカーブ」で考えてみます
この構造は、GVC研究でよく使われる「スマイルカーブ」で考えると分かりやすくなります。
| <一般的なスマイルカーブ> 上流:研究開発・設計=高付加価値 ↓ 中流:製造・組立=相対的に低付加価値 ↓ 下流:ブランド・マーケティング・サービス=高付加価値 |
Appleは、この両端を非常に強く押さえています。
上流では、研究開発、製品設計、半導体設計を行っています。
下流では、Appleブランド、Apple Store、App Store、iCloudなどを通じて消費者との接点を掌握しています。
その一方で、実際の製造や組立は外部企業へ委託しています。
これがAppleの高い収益性を生み出す一つの理由です。

図 アップル製品のスマイルカーブ
(4) TSMCは「低付加価値の製造」ではありません
ここで従来のスマイルカーブ論には修正が必要です。
TSMCが行っている最先端半導体製造を、Foxconnによる最終組立と同じ「製造」として一括りにすることはできません。
3nm、2nm級の半導体を安定して大量生産するためには、最先端の製造装置、莫大な設備投資、膨大な技術的ノウハウが必要です。
そのためTSMCの半導体製造そのものが、極めて高い付加価値を生み出しています。利益率は約40%と極めて高い利益率を確保しています。
その意味では、デジタル産業のGVCは単純な「U字型のスマイルカーブ」ではなく、半導体製造の部分がもう一度上昇する「W型のバリューチェーン」として考えることもできます。
これは、AppleのGVCを考えるうえで非常に興味深いポイントです。

図 TSMCの売上高・純利益額・利益率の推移
8.AppleのGVCから見える世界経済の変化
(1) 「最も安くつくる場所」から「止まらずにつくれる場所」へ
AppleのGVCの変化は、世界経済そのものの変化を映し出しています。
1990年代から2010年代までにおいて、企業がGVCを構築する際に重視したのは、コスト削減、規模の経済、専門企業への外部化でした。Appleもその流れのなかで、中国を中心とする巨大な生産システムを構築してきました。Appleはグローバリゼーションのメリットをもっとも受けたいたとも言えます。
しかし2020年代に入ると状況が変わりました。新型コロナウイルス感染症、米中対立、台湾海峡をめぐる緊張、関税、経済安全保障など、企業が考慮しなければならないリスクが増えています。
その結果、企業にとって重要なのは、「どこでつくれば最も安いのか」だけではなく、「何かが起きても生産を止めずに済むのか」という問題になっています。
Appleのインド進出も、この文脈から考える必要があります。
単なる「中国より賃金の安い国への工場移転」ではありません。
効率性(efficiency)を最優先したGVCから、強靱性(resilience)を組み込んだGVCへの転換なのです。
まとめ――Appleは「世界の工場を束ねる企業」です
AppleのGVCを見ると、一台のiPhoneがどれほど複雑な国際分業によってつくられているのかが分かります。
- アメリカでは製品、半導体、ソフトウェアを設計します。
- 台湾ではTSMCが最先端半導体を製造します。
- 日本や韓国などの企業が高度な部品を供給します。
- 中国やインドではFoxconnなどが最終製品を大量生産します。
- そして最後にAppleがブランド、販売、OS、App Storeなどのサービスを通じて世界の消費者と結びつきます。
したがって、Appleを単純に「アメリカのスマートフォンメーカー」と考えるだけでは、その本当の強さを理解できません。
Appleとは、世界各地に分散した知識、技術、資本、部品、生産能力、労働力を一つの製品・サービスに統合する「GVCのオーケストレーター」です。
そして現在、そのGVC自体が大きく変化しています。
AppleのGVCはアメリカの研究開発、台湾TSMCの半導体製造、Foxconnによる組立、世界各国の部品企業によって構成される一方、台湾企業や中国の製造拠点への集中による地政学的リスクや供給途絶リスクを抱えていることが指摘されています。
Appleが進めているのは、単純な「グローバル化から脱グローバル化へ」という転換ではありません。むしろ、「効率性を追求した集中型グローバル化」から「地政学的リスクを織り込んだ分散型グローバル化」への転換と考える方が適切です。
かつて企業は「世界で最も効率的につくれる場所」を探していました。
これからの企業は、それに加えて「世界のどこかで問題が起きても、つくり続けられるネットワーク」を構築しなければなりません。AppleのGVCは、まさにその変化の最前線にあります。
一台のiPhoneを追いかけるだけでも、グローバル化、産業集積、国際分業、経済安全保障、そして世界経済の地理的再編が見えてきます。
参考文献
猪俣哲史(2019)『グローバル・バリューチェーン』日本経済新聞出版
リーアンダー・ケイニー(2019)『ティム・クック』堤沙織訳、SB Creative
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